protracted

 2019/11/17(Sun)はprotractです。

これもよく新聞に出てきますが、そのたびに辞書を引いています。


protracted

 

    • 発音:protarctは、prətrǽkt(赤字がアクセント)

    • 品詞:形容詞

    • 語源:protractの過去形・過去分詞形ですね。protractは、ラテン語のprotrahereを起源とするようです。因数分解すると、pro(接頭語の前方に)+trahere(引く)で「 前の方へ引き伸ばす」がオリジナルの意味です。

    • 意味:lasting for a long time or made to last longer than necessaryという事で、(交渉議論病気などが)長引く、ダラダラと続く、という意味で使われます。

      似たような単語にprolongedがありますが、これは特にバイアスのかかっていないニュートラルな意味です。

      protractedは、非難するという意味が含まれており、prolongedとは基本的には全然違うようです。

    • 使用例
      Business sentiment has been dampened by a slowdown in exports caused by slowing global growth stemming from the protracted bitter trade dispute between the United States and Cina .*1

      長引く中国とアメリカの貿易戦争に起因したグローバルな成長鈍化による輸出の落ち込みにより、(日本の)景況感は冷え込んでいる。

bitterは苦いの意味がありますが、a lot of hate and angerという意味もあるので、bitter disputeって腹立たしい紛争というイメージなのでしょうか?

protarctedは使用例のように、中国とアメリカの経済戦争は非難されるもので、それが長引いているというイメージだと思います。


さて最近、日本の教育がいろいろと話題になっております。

大学入試の共通テストをどうするのかという議論がまさにprotractedです。

大学入試って何十年も前からほとんど変わっていないように思えます。そして進学校の序列もそれほど変わっていないようです。

相変わらず、昔から開成、麻布、神奈川の栄光学園、灘、東大寺、ラサールあたりが旧帝大医学部、東大合格者数のほとんどを占めます。確かにそのような進学校の先生方の努力の賜物でもあると思いますが、別の道はないものでしょうか?

そう思っていたら、最近「高専」という教育機関が脚光を浴びているのに気づきました。

戦前の高等教育機関である、高等工業学校(工業高校ではありません)とか高等師範とかに似たようなものなのでしょうか。

高専はほとんどが国立で、大学と同じ高等教育機関です。5年制(更に2年修学すると学部卒となるコースもあるようです)でだいたいの国立高専ではほぼ半数が国立大学へ編入学しているようです。当然理工系ではありますが、旧帝国大学への編入者数も多いです。

編入学試験は一斉にやるわけではないので、日程があえば東大と京大も併願できるわけです。でも、編入試験はそこの大学の3年生が普通に解けるようなレベルではなさそうですが。

高専では大学工学部で学ぶ専門領域を習得できるようになっており、この人たちが大学へ編入するわけですから、そりゃ「とりあえず工学部へはいっちゃえ」的な発想で入学した人に比べると、ものすごい差があるのでしょう。ほとんどが大学院へ更に進学するようです。

なんだー、国立高専(東京だと東京高専、神奈川は無さそうです)へ行けば良かった?

地方にある高専は一番手高(偏差値が71内外)ではなくて、二番手高(偏差値が67内外)ですので、頑張れは行けると思いますが、入ってからが地獄のようですね。技術者・研究者になりたい人は非常に良い教育機関だと思います。
 
そういえば、会社にいる高専→国立大工学部→国立大大学院の人達は、優秀な人が多いですね。

*1:The Japan Times 2019/11/17